2020年1月10日、人民網(中国のニュースメディア)無印良品(MUJI)は「中国エリアでの利益が8年ぶりに減少に転じる」とともに、品質の問題がたびたび明らかになっている。無印良品(上海)商業有限公司(MUJI中国本部)は9日、「中国大陸部市場における具体的な売上高のデータはこれまで発表したことがない」とのコメントを発表した。「北京日報」が伝えた。
さきにメディアが伝えたところによると、MUJIブランドを展開する株式会社良品計画が発表した2020年度第1四半期の決算では、中国市場の売上高が初めて減少したという。
無印良品(MUJI)は「中国エリアでの利益が8年ぶりに減少に転じる」とともに、品質の問題がたびたび明らかになっている。無印良品(上海)商業有限公司(MUJI中国本部)は9日、「中国大陸部市場における具体的な売上高のデータはこれまで発表したことがない」とのコメントを発表した。「北京日報」が伝えた。
さきにメディアが伝えたところによると、MUJIブランドを展開する株式会社良品計画が発表した2020年度第1四半期の決算では、中国市場の売上高が初めて減少したという。
※2020年1月10日、人民網(中国のニュースメディア)より
日系を含む海外企業の中国大陸参入が盛んな時期、中国での販売価格は現地販売金額と比べ、約3倍であった。例えば日本企業の場合、中国で製造されていても、一旦、中国から日本へ輸出し、その後中国へ輸出するなどの輸送コストや中国で輸入する際の増値税(税率は商品カテゴリ毎で違う)などが重なり、その他、現地でのブランディングを意識するなどで高い単価設定をしていた。この頃、ユニクロも同様の商品単価。
しかし、一部の中国に住む消費者も現地での販売単価を知っているため、これらの情報はSNSを通じるなどで情報を得て、「日本に行った時に買う」などの意識が高まっていた。
それから約1年後、日本に住む中国人を中心にSNSで個人貿易、いわゆる購入代行が盛んになった。ここでの主な対象商品は化粧品など日常消耗品のほか、食料品、次いで衣類や雑貨類となった。
そこから数年後に中国人の日本行き観光ビザの取得条件が緩和され、訪日中国人が加速度的に伸びてきたのだが、これと同時期に中国に参入する外資系小売企業の販売単価に変化が起きた。
今まで中国で販売されている単価は現地の約3倍であったが、約1.5倍程度になった。
当然、消費者から認知度のあったユニクロや無印良品の小売は右肩上がり。なかなか手が出しにくかった「3倍」から、手が出しやすい「1.5倍」へ。
消費者の心理的には3倍なら「日本に行った時に」だが、1.5倍なら「日本で買うよりもお得」と変わる。さらにネットショップ文化でもある中国はこれらブランド商品をネットで購入することで「買い物の時間(モノ消費思考)から余暇の時間(コト消費思考)へパラダイムシフトするきっかけにもなった。
同時期より日本への観光先は東京などの首都圏から富士山や北海道など「時間を楽しむ」場所へと変わり、そもそも購入思考が高い中国人にとって、これら時間を楽しむ場所は魅力と感じ家などの不動産を購入する流れになった。また、上海や北京などの中国都心部と比較しても、日本の不動産価格は非常に安く、富士山付近や北海道の不動産購入がトレンドにもなった。
このようなパラダイムシフトが起き、中国人消費者が成熟し商品購入をする際の「比較」する項目が大きく変わった。
「高いものが良い」、「ブランドバリューがあるから良い」などから「品質、機能性」などが注目される。
基本的な買い物は中国最大のネットショップのプラットホーム「淘宝(TaoBao)」を利用するのだが、商品を検索する際、品質や機能、価格、そして消費者の声などを参考に購入する。衣類や雑貨類など競合の多いカテゴリについては、やはり「良いものを安く」が基本で、更には「妥協する」が加味される。
そのため、一過性であったブランドトレンドが収束。さらに、毎年高騰する生活費。ともなれば、必然的に消費単価が安くなる。
一方で、海外商品を安く買いたいという気持ちはあるものの、本物志向が高い中国人の意識で、「日本の商品は日本から買いたい」が本音である。がこれについては次回以降の記事で。